ダウン症のあるりっちゃんが七五三撮影で見せてくれた最高の笑顔
ある暖かい雨の日。スタジオポスト代々木上原店に、かわいらしい3歳の女の子が七五三の撮影に来てくれました。お名前は「りっちゃん」。
天真爛漫で、3歳さんらしく「イヤ!」という意思表示もはっきりするし、かと思えば次の瞬間には最高の笑顔も見せてくれる、とびきり素敵な女の子です。
そんなりっちゃんは、ダウン症を持って生まれてきました。
撮影後、りっちゃんのママから「ダウン症の子が撮影した事、 障害があっても素敵な写真が撮影出来る事を載せていただけると嬉しいです。」というメッセージをいただきました。
今回はママや担当スタッフへのインタビューとともに、りっちゃんのスタジオ撮影の様子をご紹介します。
ダウン症のお子様をお持ちのパパやママをはじめ、様々な障害や特性からスタジオ撮影に不安を抱えていらっしゃる方の参考となりますように。
ダウン症の赤ちゃんの撮影とママの心配ごと
実はりっちゃんは生後6ヶ月のころにも、スタジオポスト千駄ヶ谷店でハーフバースデーの撮影に来てくれています。
赤ちゃんと一緒のスタジオ撮影は「泣いてしまわないかな」「授乳の時間は大丈夫かな」と、障害の有無に関わらず、どんなパパやママにも不安がありますよね。
りっちゃんのママは、実際にスタジオにお越しになる前はどんなお気持ちでしたか?
<ママ>
どのお子様も同じだと思いますが、まずは体調が心配でした。特にりっちゃんはダウン症で生まれ、他の子よりも免疫力がないので当日元気に撮影が出来るかわかりません。
あとは成長がゆっくりで生後6ヶ月でもまだ首が据わっていなかったので、どの様な撮影が出来るのか想像がつきませんでした。また、手術跡があったり、当時はまだストーマ(人工肛門)があったので、嫌な顔をされないかが気掛かりでした。
この時に撮影した写真です。
りっちゃんを囲むご家族のみなさんの暖かい表情が本当に素敵ですね!
<スタッフ>
お兄ちゃんたちがとても優しく声掛けをしてくれていました。
パパはりっちゃんの好きなおもちゃを鳴らしてくださり、ママはいないいないばあをしてくださり、とても和やかな撮影でした。
兄たちにとっても、私たち両親にとっても、最高の癒しの存在です!
はじめてりっちゃんとスタジオ撮影をしてみて、いかがでしたか?
無事に終わりホッとしました。
事前に色々と心配がありましたが、スタッフの方には私たちが全く嫌な気持ちにならないような対応をしていただけました。
撮影した写真のスライドショーを見ながらミルクを飲ませたり、ゆっくり出来たので良かったです。
ダウン症のお子様の七五三撮影とママの心配ごと
3歳になったりっちゃんと「七五三の写真をスタジオで撮ろう」と思われた時はどんなお気持ちでしたか?
Instagramでスタジオポストさんをチェックしていて、代々木上原店のお着物に一目惚れ。りっちゃんに着せてあげたい!と思いお願いしました。
どんな可愛い写真を撮ってもらえるのかと期待する半面、りっちゃんがスタジオやスタッフさんを警戒しないかという不安もありました。
前回の撮影時のような赤ちゃんではなくもう意思表示もしっかりするので、ちゃんとメイクや着付けが出来るのか、撮影がスムーズに進むのかも心配でした。
ママは今回のご予約時に着付けやメイクなどがご不安なことを受付にお伝えくださっていました。
それを受けて、担当スタッフにもどのように撮影に臨んだのかを訊いてみました。
事前にりっちゃんがダウン症だと伺っていたので「いつもよりも更に柔軟な対応が必要になるかもしれない」と心構えはしていました。
打ち合わせでは通常よりもパパやママとの擦り合わせをしっかり行なうようにしました。
大きな音が鳴るおもちゃが苦手と教えていただいたので、最初からそういうものは使わないでおくことができました。
些細なことでもお子様の「好き」や「苦手」を知っておけるとより撮影がスムーズにできるので、お伺いするようにしています。
ママが一目惚れしたお着物に袖を通して、心配していたメイクもばっちり、おめかし完了。
千歳飴を持って楽しい撮影のはじまりです!
ダウン症は撮影の「障害」にはならない
りっちゃんの撮影中はどんなことに気を付けていましたか?
正直なところ、他の撮影と特に変わったことはありませんでした。
というのも、私たちはいつもお子様と接するときに「この年齢ならこれができる」「3歳だからこういう声掛け」「ダウン症だからこう」ではなく、「この子はこうすると楽しい」「この子はこれが安心」という遊び方を見つけています。
身体的な制限や発達の特性はもちろん充分考慮しますが、基本的には「この子は今どう感じているのか」をよく観察します。
撮影前はりっちゃんについて「3歳のダウン症の女の子」ということしか知りませんでしたが、一緒に遊んでいると「わんわんが好き」「ぬいぐるみでタッチするととても嬉しそう」「他の3歳さんと同じように草履がちょっと苦手」というような「りっちゃんだからこそ」の発見がたくさんありました。
ダウン症が撮影の「障害」になることは何もありませんでした。
りっちゃんの仕草や口癖もとてもかわいらしくて、本当に楽しい撮影でした。
今回はりっちゃんとご両親の3人でお越しくださりお写真はりっちゃんのソロ撮影のみというご希望でしたが、パパやママのりっちゃんへの眼差しがとても優しく素敵だったので、ご家族写真も数枚だけお撮りしませんかとご提案をしました。
パパやママにもたくさんご協力いただいたので、この写真を見ながらみんなでわいわい撮影した時間を思い出していただけたら嬉しいです。
ソロの時はなるべくりっちゃんが自由に過ごしている様子を撮ろうと思っていました。
苦手な草履も最初にがんばって履いてくれたので、後半は脱いでも大丈夫な撮り方をしたり、ちょっと疲れたら座って撮ったり。
「ダウン症だから」ではなく、お子様によって体力や集中力や苦手なものはみんな違います。だからこそいつも様子を見ながらちょっと先を想像して撮影するようにしています。
前回の撮影がまだ赤ちゃんでねんねや抱っこの状態だったので、成長してぐっと豊かになった仕草やくるくる変化する表情を逃さないようにも意識しました。
心配ごともあった七五三撮影。実際に終わっていかがでしたか?
りっちゃんが楽しそうに撮影している姿が見られ、スタッフさんも優しくりっちゃんに対応してくださり嬉しかったです。
りっちゃんは笑顔が最高にかわいいのですが、そんな素敵な写真ばかりでずっと見てしまいます。
撮影した写真は家族みんなの目に入るリビングに飾っていて、りっちゃんも自分を見て『かわい♡』と、よく言っています。
りっちゃんのご両親はとても気さくな方でした。
りっちゃんへの接し方も特別なことは何もなく、りっちゃんの行動につっこんだり笑ったりと、とても仲良く素敵なご家族だなと思いました。
ダウン症や障害があっても他の撮影と何も変わらないこと、その子が気になったものややりたいと思ったことをありのままさせてあげながら撮影できたらいいなと、りっちゃんの撮影を通して改めて実感しました。
ダウン症に由来する特性はあっても、スタジオで楽しそうに過ごすりっちゃんは本当に普通のかわいらしい女の子。
ママからも「りっちゃんはお家でよくYouTubeの歌番組を見て、歌ったり踊ったりしています。最近はおままごとが好きで、おもちゃでお料理を作って遊んでいます。」と普段の様子を教えていただきました。
ダウン症のお子様が撮影しやすいスタジオ
りっちゃんと同じようにダウン症や障害のあるお子様が撮影をしやすいのはどんなスタジオだと思いますか?
まず、駐車場がスタジオに隣接しているスタジオなら、電車移動が難しい子や車いすの子のハードルが下がると思います。
また事前に「これは嫌がります」「これが喜びます」というような情報が詳しく伝えられる場があるといいですね。
お子様によってははじめての場所に慣れるのに時間がかかることもあるので、事前に見学ができたり場合によっては再チャレンジができるとありがたいです。
今回りっちゃんの撮影をさせていただいたこども写真館「スタジオポスト」では、全店に専用の駐車場をご用意しています。
ご予約時にご相談いただいた情報は、もちろん当日の撮影スタッフに共有をさせていただき、撮影前にも直接お話をしながら、お子様のことや撮影のご要望を詳しくお伺いをしています。
事前にスタジオ内の見学も可能なので、はじめての場所にドキドキしてしまうお子様は、どうぞお問い合わせくださいね。
ダウン症のお子様のパパやママへメッセージ
これから撮影を検討されているダウン症や障害のあるお子様の親御様へ、メッセージをお願いします。
まず、スタジオに行くまでが大変だと思います。
スタジオに着いてからも大変だと思います。
私たちも色々と不安を抱えながらスタジオポストさんへ行きました。
撮影中の我が子はイヤイヤしたりでやっぱり大変だったけど、写真を見るとそんな気持ちも吹き飛んでしまう程の素敵な写真を素敵なスタッフさん達に撮影していただけました。
障害、個性があってもみんなと同じ事が出来る場所があり、形に残せるのだということを、少しでも多くのパパやママに知ってもらえたらと思います。
りっちゃん、ご家族のみなさま、撮影とインタビューへのご協力をありがとうございました!
七五三のフォトスタジオ・スタジポストのスタッフ一同が大切なご記念の日にお待ちしています♪